手をかけなければかけないほど売れる

そこで、おいしいを「飽きない」と定義すると、「おいしい」ものの考えはずいぶん変わります。簡単に言うと、みんながおいしいおいしいと言っている食べ物は、みんな飽きちゃいます。おいしいフランス料理を食べても、翌日も食べたいかというと、それはちょっと、となります。

『「おいしい」を経済に変えた男たち』(著:加藤一隆/TAC出版)

じゃ、毎日食べられるものは何かというと、日本人なら日本の朝食とか、水やお茶、これなら毎日食べられるし飲めます。それを「おいしい」と定義すると、ごちそうはみんなまずいものになってしまいます。

笑いごとではありません。「おいしければ売れる」と言いますが、そんなことはありません。おいしいものを作ると、売れなくなっちゃう。何が売れるかわからない。不思議な世界です。

手をかければかけるほど売れず、かけなければかけないほど売れるんです。