新海誠監督、3年ぶりとなる最新作『すずめの戸締まり』が11月11日(金)に全国ロードショーとなり、公開を記念してテレビ朝日では11月6日(日)、2019年の興行収入1位を記録した『天気の子』を本編ノーカットで放送する。
醍醐虎汰朗が主人公の森嶋帆高を、森七菜がヒロインの天野陽菜の声を演じた。前作『君の名は。』に引き続き、RADWIMPSが『愛にできることはまだあるかい』、『大丈夫』などの主題歌含め、音楽担当を務めた。第43回日本アカデミー賞で、最優秀アニメーション作品賞と最優秀音楽賞を受賞している。
前作『君の名は。』(2016年)が、日本歴代興行収入ランキングでは歴代5位となり、日本映画の世界歴代興行収入では『千と千尋の神隠し』に次ぐ2位。国内だけでなく、世界的にも注目を集めた。その分、周囲からの『天気の子』への期待は大きいものだったが、新海誠監督は、『天気の子』誕生を『婦人公論』のインタビューで下記のように語っている。
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『天気の子』という作品を通じてお伝えしたいのも、自分で自分の生き方を決めることの大切さです。親子で鑑賞して「どう思った?」と会話の糸口にしていただきたいと願っています。一つの作品を鑑賞し、体験を共有することで、世代や価値観の違いを超えてコミュニケーションの輪が広がることこそがエンターテインメントの役割であり、素晴らしさだと思うのです。
(中略)前作のプロモーションで忙しくしていた2016年の夏にはすでに、「天気をテーマにするのはどうだろう?」という発想がなんとなく浮かんでいたのです。「疲れたなあ」と言いながら、ふと空を見上げたらモコモコとした積乱雲が目に飛び込んできて、「あの雲の上はさぞかし気持ちがいいだろうな」と思ったのがきっかけでした。
そのとき僕は、晴れ渡った青空に浮かぶ真っ白な雲に心を癒やされたのですが、逆にどんよりとした曇り空なら鬱々としていたことでしょう。天気は人の心とつながっていると思うのです。
それに、天気を気にせずに暮らしている人はいませんよね。誰もが天気予報を見て、「今日は洗濯できるだろうか」「どんな服を着て出かければいいかな」などと考えますし、運動会や家族の行事も天気次第。人は天気に翻弄されて生きているのだ、ということも発想の原点にあったのです。
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この原点はあくまで"入り口"と話しており、実際は環境問題の深刻化について、地球温暖化の影響やゲリラ豪雨による災害など、シリアスな問題との関連性を考えていた。人間が自然を破壊してきた代償であり、個々人でできることはないが、一人ひとりの生活が確かに影響を与えている。他人事のようであって、決して他人事ではない、エンターテインメントの枠組みでこの問題をどう捉えるか、制作を続ける中で常にあったという。