紫苑さん「節約は決して生活を貧相にする行為ではありません。それどころか、生活を豊かに、楽しく、自分らしくしていく行為です」(撮影:林ひろし、『71歳、年金月5万円、あるもので工夫する楽しい節約生活』(大和書房)より)

 

母子家庭で、二人の子どもを育てながらフリーランスで仕事をしてきた71歳のひとりシニア・紫苑さん。そのため年金の額は月に5万円ですが、お金を遣わなくても安心して暮らすための工夫の数々をブログに記すと話題となり、楽しい毎日の様子は新聞やテレビなどでも紹介されるようになりました。その紫苑さんの節約術を日々の暮らしとともに紹介していくのが当連載。第一回のテーマは「節約はむしろ生活を豊かにしていく行為」です。

聞こえてくるようになった声

はじめまして。紫苑と申します。今回より『婦人公論.JP』にて「節約生活」をテーマとした連載をすることになりました。どうぞよろしくお願いいたします。

私は母子家庭として、二人の子どもを育てながらフリーランスで仕事をしてきました。そのため、もらっている年金の額は月に5万円です。

詳しくは以下にも記していますが、そこでお金を遣わなくても安心して暮らすためにはどうすればいいかを考え、工夫しながら、それでいて楽しみながらの毎日をブログに記すようにしたら、反響を頂くようになり、次第に雑誌やテレビなどでも紹介いただくようになりました。

そのブログをもとに、今年の7月には『71歳、年金月5万円、あるもので工夫する楽しい節約生活』(大和書房)を上梓。おかげさまで売れ行きも好調なのですが、その背景には、年金や将来の暮らしに大きな不安を抱いている方が少なからずいらっしゃるという事実があるのだと思います。

なので、本の読者としては、今の年金受給世代より、むしろこの先受けることになる50代、60代の方が多いのかもしれません。

そして本の刊行をきっかけに、SNSなどを通じて「日々の小さな節約に励むことで生活を守ってきた、あるいはそうしなければと焦るものの、実行はなかなか難しい」「出るのはお金とため息ばかり」といった声が、私のもとまで届くようになりました。