自分の骨密度を知る、それが最大の備え

Q1)人生後半、骨折が心配。骨折しやすい部位と原因を教えてください

骨折リスクが高まるのは閉経後で、60代の女性3人に1人が骨粗しょう症と言われています。しかも、最も骨折しやすい部位は背骨。50歳以上の37%、つまり3人に1人以上は背骨を骨折しているという報告があるほどです。背骨の骨折は、転んだり倒れたりして起こるより、自分の体を支えているだけで背骨がつぶれる圧迫骨折が多く、「いつのまにか骨折」という別名も。骨折した人の3分の2は痛みを感じないため、気づかずにそのまま放置している人も少なくありません。すると、背骨の加重バランスが崩れて次から次へと骨がつぶれる骨折の連鎖=「ドミノ骨折」となり、日常生活に多大な支障をきたします。

背骨の次に多いのが、大腿骨(足の付け根の骨)の骨折。50歳以上の約22%、5人に1人以上が骨折しています。大腿骨を骨折する人の8割は女性。このデータからも、女性の骨折リスクがいかに高いかがわかりますね。背骨と大腿骨の骨折は、そのままフレイル(虚弱)や寝たきりに繋がるため、気をつけたいところです。

次いで前腕(手首)、上腕(腕の付け根)も骨折リスクが高い箇所。転んだ時に手をついたり、肩をぶつけたりしただけで折れることもあるのです。

これらを回避するには、骨密度の維持が重要。まずは、「自分の今の骨の状態」を知ることから始めましょう。現状、骨粗しょう症の検診を定期的に受けている人はまだ少なく、自治体が40歳以上の女性を対象に行っている骨密度の節目検診受診率は対象者の6%以下にとどまっています。45歳を過ぎたら必ず検診を受けるべき、と覚えておいてください。

50代以上の人の骨密度は、80%以上あればひとまず安心。70%以下は骨粗しょう症です。60%以下になると重度の骨粗しょう症と診断され、骨折は必発し、死亡リスクも高まります。人間が骨格を維持するためにこれ以上は下がりません。骨密度の診断は、かかとで測定するのがかつてのドックでは主流でしたが、今はより精度の高い「による腰椎や大腿骨での測定」を推奨しています。かかりつけ医や地域の保健所などで、正確なDXA(デキサ)検査ができる病院を教えてもらうとよいでしょう。

(イラスト◎はしもとゆか)