最終予選を何度も戦ってきていたからこそ

日本代表という特別な場所で、僕自身「戦う姿勢」は持ち合わせているつもりでした。それは選ばれたこのメンバーなら当然だろう、とも思っていました。だからこそ「戦術」の整理を優先したほうがいいと思っていたのです。

結果的にこのあとのサウジアラビア戦で再び敗戦を喫した僕たち日本代表は、より苦しい最終予選を戦うことになります。

突破を決めたいま、あのときを振り返れば両方が足りなかったと思います。

「ベース」の部分で、例えばリーグ戦でバイエルン・ミュンヘンと戦うときと同じような気持ちでいられたか……といえばそうではなかった。持っているつもりでも、どこかで失ってしまう。それが戦う姿勢の難しさです。

佑都くんは熱く強い口調でチームに「戦う姿勢」を求める言葉を投げかけ続けていました。

それは、最終予選を何度も戦ってきていたからこそ感じていたのだと思います。