昼の6600円のコース(全8品)。八寸は、ずわい蟹の土佐酢ジュレ、ほうれん草と柿のごま和え、かます焼き目寿司、栗甘煮など。お椀は厚揚げ豆腐と車海老、小かぶ。要予約

京の錦秋を映す正統京料理

烏丸御池駅にほど近い、御所南エリアの京町家に移転し、ゆったりとした店構えと空間でおもてなしのスタイルをグレードアップした日本料理店。

カウンター席からは坪庭の緑が楽しめ、以前よりひとまわり広くなった6人がけのテーブル個室も心地よい。ここ数年はジャンルを超えた進取の和食店が多い京都だが、ご主人の岡田晃さんは王道の京料理ひと筋。

「コースは、最初の先付で旬を味わっていただき、八寸と煮物椀が山場になるように構成しています。高価な食材や奇をてらった演出よりも、自然の移ろいや歳時を感じてもらいながらゆっくりとお過ごしいただきたいです」。

3日かけて仕込む「鯖寿司」は1本12~13切れ入りで3780円、2分の1本2160円(3日前までに要予約)。大ぶりで肉厚、脂ののった鯖は歯ごたえがよく、旨み濃厚。京都はしゃりが甘めの店が多いが、こちらは甘さ控えめで、しゃりと鯖の間に冬場は実山椒、春から初夏にかけては木の芽と白ごまを狭み、時季で異なる味わいに。穴子寿司やちりめん山椒などのテイクアウトも可

八寸は、錦秋を色濃く映し、走りと旬の食材を取り入れた彩り美しい料理や器で目を楽しませる。煮物椀は、長年培った技を忠実に守り、一番だしには近所の名水処で汲んだ超軟水の湧き水を使用。

季節で利尻昆布と鰹節の割合を変え、秋は昆布勝ちのコクと旨みあるだしで、お椀は紅葉の名所、竜田川の蒔絵に。街中にいながらにしてコースひと通りで紅葉狩りの心持ちにさせてくれる。