伝統のバスク料理を現代的に

手前がメインの「赤牛のロースト」。奥は、とうもろこしの粉で作ったクレープ状の生地に野菜やエディブルフラワーをのせたサラダ感覚の「トマトのタロ」。ともに7700円のコースから。赤牛は+1650円

残暑厳しきなかにも秋の気配を感じる今日この頃。行楽シーズンを前に、ピクニック気分でランチを楽しめるレストランが、ここ「エネコ東京」。

美食の街として知られるスペインはバスク地方の三ツ星店「アスルメンディ」の姉妹店だ。

美味しさはもちろん、食にも楽しさを追求するのが、オーナーシェフであるエネコ・アチャ氏のスタイル。

同店でも、バスクの本店同様、まずは、1階の「グリーンハウス」と呼ばれる緑に囲まれた空間から食事が始まる。

ここで、ピクニックバスケットに入ったアミューズをつまんだら、2階のダイニングへ、というわけだ。

グレーの壁に朱色のチェアがポップで都会的な趣を醸し出す店内でいただくのは、伝統のバスク料理を現代的かつ独創的に表現したモダンバスク料理。

コロナ禍を機に始めたテイクアウトは、豪華な「3段BOX」1万9440円(2名分)。1段めはトマトのタロ。2、3段めには、ビーツのタルタルとブリオッシュやスモークした玉ねぎのタルトレット、じゃがいものトルティージャなどそれぞれ6種類を詰めている。右奥は、バスクチーズケーキとバスクドーナツ

東京店では、日本の優れた食材を用いつつ、エネコ・アチャ氏のテイストを損なわぬよう一捻りしている。

例えばメインの肉には、赤身が旨い熊本の赤牛を使用。旨味を補う焦がしバターソースをエスプーマにすることで、香ばしさはそのままに口当たりを軽やかに仕上げている。