2007年4月、中級コースへ再入学。4年間のブランクがあったが、どうにか授業についていく。休憩時間は、同級生たちと一緒に近くの喫茶店でランチをとる。スキルが上がるにつれ、翻訳という仕事がさらに奥深く感じられた。

修了後、先生と個人面談をして、自分が進むべき専門分野のことを相談。環境問題の分野がいいのではと勧められる。そして、勉強を継続するため、4度めとなるパート探しをして、レストランの厨房で働いた。

2010年、「専門コース」に復学した。私は関心のあった化学分野を選択。1年後にコースを修了したとき、先生が、「他県から入学してきて、よく途中で挫折しなかったね」とねぎらってくれた。

さらに翻訳業界の裏事情も教えてくれた。才能がものをいう世界ゆえ、最後まで続けられる人はほんの一握り。語学力で仕事をし、収入を得るのは生半可なことではない。人脈やコネ作りのノウハウは誰も明かさない、とか。先生の忠告はもっともなことと思った。プロとなってから幻滅しないように、あらかじめ教えてくれたのだ。