そして、徐々に支給開始年齢を引き上げて来ました。
定額部分を徐々に引き上げ、それが完全に65歳になったら、今度は報酬比例部分を徐々に引き上げるという手順を踏んでいます。
そして、すべて60歳から65歳支給になるまでには約30年かかっています。
そういう意味では、今の50代は、年金がいずれ「70歳支給」になる可能性は高いけれど、前回のようなかたちで徐々に支給年齢を上げていくとすれば、ダイレクトに影響を受ける可能性は少ないのではないでしょうか。
今の40代はいくら公的年金をもらえるのか?
では、今40代の人は、将来、どれくらいの年金をもらうことができるのでしょうか。40代の人が年金をもらうようになるのは、20年から30年ほど後のことです。
厚生労働省が出している29年後の年金の試算の8通りの経済前提の中で、成長が中程度、出生率や死亡率も中間の「標準的なケース」で見ると、月々の世帯年金額が約24万4000円と試算されています。
月24万4000円なら、現在の平均的な年金額が約22万円ですから、かなり良いと思うかもしれません。
けれど、この頃には働く世代の給料も1・39倍に増えている前提なので、これを今の価格に置き換えると、月約17万5000円になります。