ただ、今の40代にとっては、こうした数字は、実は現実的ではないかもしれません。なぜなら、20年から30年後の世の中がどうなっているのかなんて、誰にもわからないからです。

「100年安心年金」では、もらえる世帯での年金は最低でも「現役世代の収入の50パーセント」を保障していました。ところが、これがすでに10年前には50パーセントになっています。このペースで行くと、今の40代が年金をもらう頃には、40パーセントを切っているかもしれません。

仮に年金額が「現役世代の収入の40パーセント」だったとすると、現役世代平均手取り収入が35万7000円だったら約14万円ということになります。

これではとても、夫婦2人で暮らしていくことはむずかしいかもしれません。

 

パートでも年金に加入しなければならない

ただ、50代に比べて40代の強みは、共働き家庭が多いということ。しかも、育児休業などを取りながら、フルタイムで働いている女性は、50代よりも40代のほうが多くなっています。

夫婦ともに会社員の場合の世帯の平均年金額は26万7929円で、男性が会社員で妻が専業主婦の世帯よりも月の年金が約5万円多くなっています(厚生年金保険・国民年金事業年報2019年度)。

子供が生まれても働き続ける女性も増えています。企業側の環境も多少改善しているので、2人で厚生年金に加入して働けば、もらえる年金も多少は増えます。

ちなみに、賃金8万8000円以上(年収約106万円以上)のパートでも、年金に加入しなくてはいけない時代になってきます。