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老後のお金は用意だけでは不十分
資産は整理し、託す先を決める
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資産は整理し、託す先を決める

介護は、当人が持っている資産の範囲内で行うことが鉄則です。まず、介護費用としていくら使えるのかを把握するために、自分の資産を洗い出すことから始めましょう。銀行や証券会社、生命保険、自宅以外に所有している不動産などをリストにし、それぞれの残高や評価額を書き出して、おおよその合計金額を算出します。

次に、銀行口座が多数ある場合は解約して1~2つに絞り、定期預金は普通預金に預け替え、引き出しやすくしておきましょう。株や投資信託などの有価証券は、少しずつ現金化を。生命保険は契約内容や受取人を確認し、自分が入院した際に家族が給付金を代理請求できるかどうかも調べておいてください。

生命保険文化センターの調査(2021年)に、介護にかかる費用は、一時的費用が平均74万円、月々の費用が平均8.3万円、介護期間は平均5年1ヵ月、合計581万円というデータがあります。

ただ、この金額があれば十分と思うのは危険。なぜなら、認知症は判断能力こそ衰えますが、体は元気な場合が多く、要介護1~2のまま介護期間が長くなることもあるからです。

資産を整理した結果、「介護資金が足りない」と不安に思う場合は、民間の介護保険や認知症保険に加入するのもひとつの手。介護保険の場合、60代、70代からの加入は保険料が高額になりますが、認知症保険は月々の掛け金が数千円と手頃な金額で入れます。

また、JA共済が扱っている介護共済は、要介護2以上で介護共済金が受け取れますし、介護が不要のまま亡くなると全額戻ってきますので、調べてみるといいでしょう。