写真提供◎青木さん(以下すべて)
青木さやかさんの連載「49歳、おんな、今日のところは『……』として」――。青木さんが、49歳の今だからこそ綴れるエッセイは、母との関係についてふれた「大嫌いだった母が遺した、手紙の中身」、初めてがんに罹患していたことを明かしたエッセイ「突然のがん告知。1人で受け止めた私が、入院前に片づけた6つのこと」が話題になりました。
今回は「容姿いじりをされる人として」です。

前回「離婚後に見たくなかった結婚式の写真も、受け入れられるように。断捨離はネガティブな過去もポジティブにしてくれる」はこちら

容姿いじりなどについて思うこと

世の中は変化している。明らかに、わたしが若手だった2000年代前半とは、違う。容姿いじりが当たり前であった、あの頃。『女芸人の壁』の著者、西澤千央さんからインタビューを受けて、当時どう感じていたか、ということを自分に問いかけてみると、

「容姿いじりは全く嬉しくはなかったが、それは先輩方の愛情であったので、感謝しながら傷ついていました」

というところが本音であることに気がついた。そういう時代だったのだ。多分だけど、あの時代、女芸人の世界に入るということは、「どうか容姿をいじってください、もちろん文句はございません」ということで入ってきてるんだよね?と多くの人たちが思っていたのだと思う。

わたしは、そういえば何度か仲の良い男の先輩に言った。

「いじられるの、嫌なんですよね」

そして、わたしは、こうも聞いた。

「もし奥さんやお母さんが、わたしみたいにいじられていたら嫌じゃないですか?」

そして、こうも伝えた。

「嫌ですよね。だから、わたしだって、嫌なんですよ、わかります?」

返ってくる答えは

「だって、青木は、芸人だから」

というものだった。

わたしは、「だから芸人に括られるのはごめんなんですよ」と笑いながら言った。