そういう時代だった、そういうわたしだった
わたしはいつだって、肩書きをどうするかを考えていた。
肩書きに関して、タレント?芸人?と聞かれ、「人間」もしくは「女」にしてほしいと会社に頼んでいたのだが、聞こえていないのか、頭のおかしな人だと思われていたのか、それは通らなかった。
「お母さんや奥さんやお嬢さんが言われたくないことは、わたしだって言われたくないんですよ〜」
と、ずっとずっと、思っていた。
(それは相手も思っていたかもしれないけれど)
なにしろ、何かの記号に当てはめられることを、わたしは嫌だと感じる人間だった。
わたしは傷ついた、と言っているが、わたしも傷つけていたはずだ。
容姿いじりが相手のためだ番組のためだ笑いのためだと思っていたように、わたしは毒を吐くのが相手のためだ番組のためだ笑いのためだと思っていたのだから。
反省しているわけではなくて、そういう時代だった、そういうわたしだったと思っている。