(写真提供:Photo AC)
オートミールが今、大ブームになっているのを知っていますか? かつてのような「ミルク粥」ではなく、ごはんの代わりに食べる「代替食」として人気なのです。ダイエット目的の若者だけでなく、栄養面でシニア世代にもメリットがたくさん! ほかにも肉代わりとして進化を続ける大豆ミートなど、ブームの「代替食」を、グルメ誌の記者が1ヵ月半食べてみました(取材・文=肥田木奈々 撮影=本社・奥西義和、筆者)

オートミールはパワーフード

「シニア世代には、栄養面で大きなメリットがあるんですよ」

そう語るのは、オートミールを使ったレシピ本を多数監修する内科医で、イシハラクリニック副院長の石原新菜(にいな)先生だ。

「オートミールはオーツ麦(燕麦〈えんばく〉)を加工した全粒穀物。精白していないので栄養をまるごと摂取できます。食物繊維が豊富に含まれているのが特徴で、特筆すべきは水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のバランスがいいこと。水溶性は水に溶けて腸内細菌の餌となり、善玉菌を増やします。不溶性は溶けずに便のかさを増やすので、排便を促し、老廃物を体外に排出する働きがあります。腸内環境を整えるには、どちらかに偏ることなく、両者をバランスよく摂ることが大事なのです」

なるほど、むやみやたらに食物繊維を摂ればいいというわけではないのだ。特に不溶性は、摂り過ぎると逆に便秘になることもあるので気を付けたい。

「食物繊維が腸内環境を整えてくれるほか、血糖値の急上昇を抑制したり、血中コレステロール値を下げたり、脂質の吸収を抑えたりといった効果が期待できるのです。ほかにも代謝にかかわるビタミンB群、アンチエイジングに役立つビタミンEが含まれています。さらにカルシウムや鉄分などのミネラル、高齢になるほど不足しがちなたんぱく質も効率よく摂れる。まさにパワーフードなのです」

シニア世代にとって、これは大きなメリット。

(撮影=本社・奥西義和)