(イラスト:めぐろみよ)

『婦人公論』が2022年に「友だちづきあい」について行ったアンケートでは、友だちの人数は「1人~3人」が多数で、次いで「4人~6人」。年代別に平均すると、80代以上が最も多い結果に。相手は「女性」「同級生」と多くの人が回答していました。年を重ねると、肉親よりも頼りになる存在ともいえる友だち。牧田香恵さん(仮名・大阪府・会社員・47歳)の場合は、ランチの誘いには乗らず、飲み会も毎回欠席。どんなに変人扱いをされようとも、職場で「人づきあい、お断り」を貫いてきたそうです。その理由とは?

優しい同僚たち。でも、その誘いには応えられない

転職して2年。新しい仕事にもようやく慣れてきた。同僚たちは年代が近く、シングルマザーが多いからだろうか、結束が固い。休憩時間や昼休み、休みの日にも集まって、子どもの進学などの情報を交換している。その姿は、昔からの友だちといった感じだ。

私が独り身だからか、彼女たちは親しく声を掛けてくれる。日々の生活で困っていることはないか、寂しくないかなど。ありがたいと思うし、彼女たちが親切心で声を掛けてくれるのはよくわかる。

でも、私はそれを素直に受け取れないのだ。受け取るのが怖くてたまらないから、ランチや買い物に誘われてもすべて断っている。最初からそのスタンスを貫いているので、彼女たちからみれば、私は極端な人見知りで、人づきあいの悪い人だろう。

でも、構わない。私は自分を守るために、人と距離を置くと決めたのだから。

もともと私は人見知りではないし、人と一緒に過ごすのが好きなほうだ。いまも、ちょっと気を抜くと地が出そうになる。誘われたら、目を輝かせて首を縦に振りそうになる。

それをぐっとこらえて断るのは、もう傷つきたくないからだ。