私は何がしたいんだろう…?

今思えば、あれは「燃え尽き症候群」だとわかるのですが、
その時の私にはわけがわからず、
何をしても心が動かないことと、
自分の居場所がない事にただただ途方に暮れていました。

宝塚を退団した時、「越乃リュウ」という名前からも卒業するつもりでいました。
本名の自分に戻ってこれからは生きていこうと。
なぜか漠然とそう思っていました。

休んでからゆっくり考えればいい、そんな風に思っていたのに、
長年の癖で全く休めないことが3日目あたりでわかりました。
これからどうやって生きていこう…。
私は何がしたいんだろう…?
ゆっくり考えても考えても何も心が動かない日々が続きました。

毎日目覚ましをかけずにひたすら寝て、
目が覚めた時間に起きてごはんを食べる。
卵焼きを巻くのがうまくなったこと以外、
さほど変わったことのない毎日で、ひたすら家に閉じこもっていました。

その間にもいろんな人が声を掛けてくれ、手を差し伸べていてくれていたのに、
優しい手、温かい手にどれだけの無礼をしてきた事か。
自信がなくなれば人に会うのも嫌になり、また閉じこもりの悪循環。
今思い出しても二度とあんな自分にはなりたくないと思うほど、
私はひたすら暗いオーラを放っていました。