そんな大切な指輪を私に⁉︎

頑張っていろんなことに挑戦するも、
どうにもならない心の状況は、努力と根性ではどうにかなるものではなく、
ひたすら足掻き、ここまで気持ちが落ちるかというほど、
私の闇はますます深くなっていきました。

今思うと、人生のタイミングってあるんだなと思います。
宝塚以外世間を知らず、不器用で要領の悪い私には、
自分と向き合う時間が人一倍必要でした。
そんなある日、ひょんなことから、宝塚の大先輩であり偉大なショースターだった
越路吹雪さんの形見の指輪が私の元に来ることになりました。

そんな大切な指輪を私に⁉︎ 
滅相もない、と言いながら付けさせていただいた青い指輪は、
なぜか私の指にぴったりなサイズでした。

退団後初めてのディナーショー。右手の指輪がラピスラズリ

この素晴らしい指輪が私の元に来た時、
不思議なことに、私はもう一度歌いたいと思いだしました。
もう一度自分を磨いて、勉強をし、 
この指輪を付けてもいい人になりたい!
この指輪に相応しい人になろうと心に決めました。