「独身貴族」などいないからこそ考える

ただ実態は、そうとは言えません。独身男性の6割以上が非正規社員で、新型コロナなど不安なことがますます増えるなか、給料も低く不安定な状況にある人が少なくないからです。

また女性もそう。2016年の総務省の労働力調査によると、35~44歳で雇用されて働いている独身女性190万人のうち、41%の79万人が非正規でした。

人生は、どこでどうなるのかわかりません。ただ、もし離婚をし、再婚せず独身のままでいて、しかも周囲にあまり支えてくれそうな人がいないなら、とりあえず、ざっくりでいいので将来プランを立ててみましょう。

そのためには、まず現状把握をしてみること。

現在の収入、支出、貯蓄、借金、保険などを一枚の紙に書き出し、それをじっくりながめてみましょう。そうすれば、貯蓄の割に借金が多すぎるとか、貯蓄が少ないのに保険が多くて、保険料も支払いすぎなどということが、ひと目でわかります。

『「夫の財布」はいますぐ妻が握りなさい!』(著:荻原博子/ビジネス社)

独身者の場合、保険も悪くはありませんが、それよりも現金を持っているほうが大切です。重要なのは、できるだけ借金が少なく現金が多い家計にしておくこと。保険は、よほど昔に加入した貯蓄性の高いものでない限り、それほど必要ではないでしょう。