猫にも感謝

猫が4匹います。多頭飼いの趣味はなく、少々持てあましていますが、飼い主としての責任を全うすべく、それなりの計算はしています。さまざまなメディアで、あるいは直接出会って、私は日本中(世界中)の高齢者が晩年の人生を、犬、猫などのペットに慰められていることを知っています。

その一人が私です。戦争中は、飼い犬は殺されるために、「供出」させられた時代。猫しか飼っていなかった私はその経験をせずにすみました。そのとき「飼い犬」がいた親友とは80年以上のおつきあいのうえ、年の初めに見送りました。めずらしいほど長期にわたる親友でしたが、彼女には犬の話はしないよう、一生気をつけていました。

わが家には、いま1歳から16歳の猫4匹がいます。タヌキ、ピー、ナオミ、おジャコ。これ以上、飼う予定は一応ありません。猫の平均寿命と私と娘の年齢を考え併せて、責任もって看取るか、私たちの死後の飼育をお願いするか、と考えています。

私には、たいした財産はありませんが、東京に生まれ育ち、親のおかげで自力で自宅を建築しないですみました。親の持ち家を相続できたからです。だから娘にも相続させるつもりです。

猫については、心ばかりの寄付をいくつかの団体にするつもりです。動物愛護協会などにお願いして、小さなNPOにしてもいいと思います。

高齢者の老後を支えた猫、犬の「殺処分」「安楽死」件数が少しでも減りますように。そういう件数が減ったら、現場で働く職員の方も、ほっとされるのではないでしょうか。

人間の医療の発展のため、短い命をまるごと提供する小動物たち。その一生ができるだけ規則に守られ、苦痛の少ないものであるよう願っています。私の長寿はこうした動物のおかげかもしれません。