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母が認知症とは思いたくない 膠着状態を打開したのは特殊詐欺だった 医者だって不健康なことはある
なぜ、母はお金にこだわったのか
見えない介護 専門家に聞いてみた

なぜ、母はお金にこだわったのか

一昨年秋、母が膝の痛みを訴えるようになった。病院に行こうと説得しようとするが、メモリークリニックの時と同様、ダメ。年を越して、痛みが我慢できなくなったのか、やっと整形外科に連れていくことができた。加齢による関節炎。「歩くより、膝の周りの筋肉をトレーニングしたほうがいい」と医師や理学療法士に言われるが、通じないし、そもそも覚えていない。

買い物をして食事を作ることが自分のレーゾンデートルになっている母は「歩いたほうが脚は鍛えられる」とやたらに買い物に出かけるようになった。買ってくるのは変わらず「キャベツの千切り」と「赤いもの」。

関節炎はよくなるどころか悪化しているようだ。デイサービスに行ったほうがいいのではないか。手すりとか補助が出るのではないか。昨年2月、介護保険の申請を決意した。地域包括支援センターに電話をし、まずはセンターの人が来てくれることになった。

介護保険の説明をしてもおそらく分からないし、人が家に来るのは多分嫌がる。なので「この前、メモリークリニックまで歩いたら脚が痛いと言っていたでしょう。だから、クリニックの人が来てくれることになったから」と通告する。

一応納得したが、「お金は払わなくてもいいのか。細かいお金を用意しないといけない」と何度も聞いてくる。「今日はいらない」「私が払う」といっても、また「お金は払わなくてもいいのか」。ついに「請求されたら払って」と諦めたと思ったら、再び「お金は払わなくていいのか」。

地域包括支援センターの女性は、母に今の状態についていろいろ質問をして帰った。なぜ、母はお金にこだわったのか。以前、弟の妻の親族の鍼灸師が膝のマッサージに来てくれていた。費用は弟家族が負担していたのだが、母は心づけを払っていた。その記憶があったらしいことに後から気付き反省した。