「話がかみ合わない」「人の目が気になって気をつかいすぎてしまう」「部下の育成がうまくいかない」生きていく上で誰もが抱える、パートナー、親子、上司部下との人間関係の悩みやストレス。日本コミュニケーション心理学協会マスター講師として、全国各地で講演を行っている山本千儀さんは、自身の体験や受講生の実例を踏まえ、生まれ持つ気質から読み解く人間関係とコミュニケーションを円滑に進めるための手法を伝えています。その山本さんいわく、パートナーとの関係を良好に保つには、特性の違いがあることを予め理解しておくことが大事だそうで――。
似た者同士が良いのか?違うタイプはやはり合わないのか?
「結局似た者同士が良いのですか? やはり違うタイプは合わないですか?」
これは人間関係(パートナーシップなど)を分析する際に一番相談者や受講生に聞かれる質問です。
そこで、より良いパートナーシップを築くための考え方や方法について一緒に考えていきたいと思います。
皆さんは、恋愛で自分とは違うタイプの人を好きになった経験をお持ちでしょうか。
人は自分にないものに魅力を感じるといわれます。内向的な男性が社交的な女性に惹かれたり、のんびりマイペースの女性が行動力のある男性を素敵に思ったりするケースは珍しくありません。
実は、人が自分とは異なるタイプの人に魅力を感じるのは、本能的な欲求にもとづくとされています。というのも、似ている者同士は同じ弱点を抱えているので、非常事態が起きた時に種(生物)が絶滅するリスクを抱えています。
一方、違う特性を持った者が一緒になれば、お互いに補い合って生き延びることができます。
生物の本能として自分の遺伝子を残そうとするため、無意識のうちに自分とは違うタイプの人を求めてしまうわけです。