例の新聞記事には「裾や袖が広がった『だるだる』『もふもふ』の衣服は火を扱う際には避けたい。化学繊維の場合、溶けて皮膚に張り付いてしまうのでやけどの被害が大きくなる可能性がある」と書いてあった。まさにそれですがな。

昔のケム犬のように焦げていた。犬は純毛だからただ茶色くなっていただけだが、こっちは化学製品なので、焦げたところが溶けてくっついていた。

このコートを買ったのは、それまで着ていたちょい着のダウンコートがボロボロになっていたからなのだった。

薄くて軽いダウンで、多分みなさんの70%くらいが持ってるんじゃないかと思う。あたしのはユニクロで2、3年前に買った。着やすくて、薄い、軽い、暖かいが暖かすぎない、しかも安いと、ほしい要素をぜんぶ満たしていたから、家の外でも家の中でも愛用していたのであるが。そこに登場するのが猫たちであります。

あたしが仕事をしていると後ろから、ぎゃーーと声をかけてくる。声に応えないでいると、猫の手をすっと伸ばし、あたしの肩や背中に、ちょいちょいと手をかけ爪をかける。で、買った当日に穴があいた。

その上クレイマーと行く散歩は山歩きで、山の中の枯れた藪の脇を通って、トゲの多い枯れ枝や枯れたつる草にひっかかりながら歩くのである。

冬の山は、ある時期、たんぽぽの綿毛みたいな白い毛がいちめんに飛ぶ。知らないうちは、エイワの使いか(映画『アバター』、大好きなんです)ケサランパサランかと思っていたが、そのうちにわかった。テイカカズラの種子なのだった。その証拠に先端に種がついている。テイカカズラは、山の中の木という木にからみついているほどいたるところにあった。

テイカカズラ