デジタル難民になりそう

長時間スマホをいじっている夫は、やれ目がかすむとかやれ肩が凝るとか言って、市販の薬代が高くついている。いっぽう、私はすこぶる健康で、かなり安上がりの人間。どちらがいいかわからないが、夫婦それぞれ自分のほうが確実にマシと思っている。

ただ、ますますデジタル化が進んで波に乗れない者が取り残されるということは、コロナワクチン接種の予約で感じた。スマホがあってよかったが、夫にもしものことがあったら、私はデジタル難民と化すだろう。

「どうしよう?」。心配が口を突いて出たら、「俺がいるじゃん」と、同居する独身の息子がすかさず言った。うれしいような悲しいような、複雑な気持ちで何も言えなかった。


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