どんなにつらくても朝食の支度をし、洗濯し、掃除し、ゴミを出し、家事全般をこなしてきた(写真はイメージ。写真提供:photoAC)
時事問題から身のまわりのこと、『婦人公論』本誌記事への感想など、愛読者からのお手紙を紹介する「読者のひろば」。たくさんの記事が掲載される婦人公論のなかでも、人気の高いコーナーの一つです。今回ご紹介するのは福島県の60代主婦の方からのお便り。45年間、子育てと家事に追われ、ずっと見ないふりをしてきたものは――。

家計簿と私

いつからこんなに齟齬が生じるようになったのだろうか。それは結婚当初から発芽していたが、私は見ないふりをしてきてしまったのだ。

子どもは3人生まれた。子の大学卒業までは、就職・結婚までは、と我慢して離婚を先延ばしにしてきた。子どもたちはそれぞれ家庭を持ち、孫も誕生。年金を受給できる私は、いつ家を出てもいいと思っている。

幸いなことに親の遺産が少しばかりあり、贅沢さえしなければ暮らしていける。振り返ると長い、45年の結婚生活。欠かさずつけてきた家計簿は私にとって唯一の《砦》だった。

どんなにつらくても朝食の支度をし、洗濯し、掃除し、ゴミを出し、家事全般をこなしてきた。「収入には結びつかないが、よくやってきた」と自負している。そうでもしないと、やりきれない。


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