いつからか居心地が良くなった故郷
しかし、40過ぎた頃からだろうか。
母との確執をといてからだろうか。
故郷が居心地が良くなってきたのは。
特別何がある町というわけではないと思っているが、何かにつけて帰ろうか、という気分になる。なんとなく町を歩こうか、という気分になる。あと2泊しようかな、という気分になる。東京の家に猫が居なかったら、あと2泊くらいしていたのではなかろうか。
何がある、という町ではないのだが、
小学校の窓際からみえるわさわさとした緑の木々と、キラキラと陽があたり輝く池の美しい景色は、ここでしか見られない、なんとも贅沢なものだったのだと、それも都会に出て初めてわかったことだ。
いずれ故郷に帰ろうかと言い出す人の気持ちが、少しだけ、わかるような気がした。