大病院は、軽度な病気の人がたくさん来られても困る

この制度が導入された背景には、平成12年の診療報酬改定で、「病院は入院治療や専門診療を、診療所は外来診療を」という機能分担と連携を促進してきたことがあります。

大病院の外来患者は、患者全体の約4割を占めていると言われます。

外来患者の中には、近所の小さな診療所でも充分に対応できるような風邪などの軽症の人もいて、こうした人がたくさん大病院に来ることで、本来は大病院でしか診(み)てもらえないような重症患者が、充分な治療を受けられないことが危惧(きぐ)されていました。

そこで、大病院で継続的に治療を受けなくてはいけない人以外は、なるべく近所の診療所で診てもらうように、厚生労働省では身近で頼りになる「かかりつけ医」を持つことを推奨しています。

そして、近所の医者の手に負えないような病状の患者だけが、その医者の紹介状を持って大病院に行くようにし、紹介状を持たずに大病院に来る人には、高額な特別料金というペナルティーが課せられるようにしたのです。

ただし、紹介状がなくても、救急車で運ばれてきた方や、国や地方公共団体等の難病の指定を受けている人は特別料金がかかりません。

※本稿は、『5キロ痩せたら100万円 「健康」は最高の節約』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。


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