質の高い睡眠をとることは認知症の予防にも効果が

でも、ここで朗報です。2019年に世界中の研究者を驚かせた事実が発表されました。それは、睡眠時間は多少短くなったとしても、睡眠の質は高齢になってもそこまで落ちないことです。深い睡眠である「ノンレム睡眠」は歳をとっても、ほぼ質が変わらなかったそうです。

高齢になると、眠りにつくまでに時間がかかってしまったり、途中で目が覚めてしまうことがあります。でも、睡眠の質は若いときと変わらないままでいることが可能なのです。

ですから、睡眠時間よりも、睡眠の質に目を向けたほうがよい睡眠につながります(とは言っても、睡眠時間が短かすぎるのはよくありません)。

『80歳でも脳が老化しない人がやっていること』(著:西剛志/アスコム)

適切な睡眠時間については、人によって、朝型夜型のタイプもあるでしょうし、スーパーエイジャーの人たちでも10時間以上寝る人もいるので、個人差があります。これまでの自分の睡眠を振り返り、自分の特性を見極めることが大切です。

質の高い睡眠をとることは認知症の予防にも効果があります。アルツハイマー型認知症の原因は、脳のごみであるアミロイドβですが、このアミロイドβはいい睡眠によって消去されるのです。

一方で、睡眠時間が短い人は脳のごみであるアミロイドβが脳に蓄積しやすくなり、結果、アルツハイマー型認知症の発症リスクが増えるわけです。

この脳のごみを溜めないために、いい睡眠が必要です。

よりよい睡眠をとるためにはどうすればよいのか? 方法がいくつかあります。