65歳以上の40%以上が《難聴》

日本人の65歳以上で難聴になっている人(老人性難聴)は約1500万人いると言われています。65歳以上の人口が3640万人なので、40%以上の人が難聴になっているわけです。

老人性難聴の特徴は、

(1)高い音から聞こえなくなる

(2)男性のほうが聞こえなくなる率が高い

(3)片耳ではなく両耳ともなる

(4)50~55歳まではなだらかで、56歳以降は急速に低下する

この4つが特徴ですが、70歳を超すと聴力の悪化は鈍化する人が多いそうです。

高い音とは「小鳥のさえずり」や「子どもや女性の高い声」「飛行機のキーンという高音」などです。また、騒がしい場所での言葉の聞き取りや玄関の呼び鈴の音、電話で話すのも難しくなっていきます。

なぜ高い音ほど聞こえなくなるのか? 理由は、音が脳に伝わるプロセスにあります。

耳の外耳から内耳に届いた音の振動は、蝸牛(かぎゅう)という場所の中にある有毛細胞によって電気信号に変換されて、脳に伝わります。脳に伝わって初めて私たちは音として認知できるのです。

蝸牛の有毛細胞は、その入口に近いほど高周波(高い音)を処理し、奥に行けば行くほど低周波(低い音)を処理します。大きな音などに長年さらされていると、入口の有毛細胞がダメージを受けるため、高い音から聞こえにくくなってしまうのです。