認知症の最大の危険因子は「聴力低下」

難聴が認知症の危険因子になると話しましたが、2020年の国際アルツハイマー病協会国際会議で認知症には12の危険因子が報告されています。

この中でもっとも高い危険因子が難聴です。認知症は生活習慣を工夫すれば40%防ぐことができるのですが、そのうち難聴が関与する割合は8%もあります。

次が教育歴で7%を占めています。小さい頃の教育歴だけでなく高齢まで影響するので、大人になってからでも十分防ぐことができます。

スーパーエイジャーには新聞を読んだり、ニュースを見たり、読書や社会の情勢を知ることが好きな人が多いのですが、そういった習慣も脳に影響を与えていると思います。

スーパーエイジャーには新聞を読んだり、ニュースを見たり、社会情勢を知ることが好きな人が多い(写真提供◎photoAC)

次に危険因子として高いのが、喫煙とうつ、社会的孤立です。意外なのは、過剰な飲酒は因子の1%しかないことです。まだ認知症の研究は発展途上で、この因子は今後も増えることが予想できます。今後は今回紹介した睡眠習慣なども入ってくるかもしれません。

※本稿は、『80歳でも脳が老化しない人がやっていること』(アスコム)の一部を再編集したものです。


80歳でも脳が老化しない人がやっていること』(著:西剛志/アスコム)

いくつになっても脳が若いままの人と、老化が進んでいく人の差はどこにあるのか?脳科学者が伝えたい「老人脳」にならないための方法。