お笑いと漫画――2つの仕事でバランスを

ある意味、芸人をやっているおかげで『マンガ ぼけ日和』を描けたのかも

今回初めて、自分のオリジナル作品ではない漫画を描かせていただいたことで、自分の世界が広がったように感じています。漫画家としての自信もちょっぴりついたので、依頼が来たら、これからはどんどん受けちゃうぞ、と(笑)。

とはいえ、漫画の仕事1本に絞っていきたいとは思っていません。芸人の仕事って、今、目の前で起こっていることに対してリアクションを入れたり、ちょっとした笑いで緩和することで、視聴者の方にその事実を届けやすくすることもあると思うんです。その経験が、今回の『ぼけ日和』を描くときにも大いに活かされている。ある意味、芸人をやっているおかげで描けたと言いますか。

芸人としてテレビや舞台に出て大勢でワイワイはしゃいでる自分と、家で孤独に漫画を描いている自分――この2つの世界があるからこそ、今の僕は上手くバランスが取れている。漫画を描いているときは芸人としてはしゃいでる自分を客観視できるし、芸人でいるときは、さっきまで漫画を描いていた自分はちょっとナルシストだったよなと反省できる。

芸人は瞬間、瞬間に創る仕事で、漫画は時間をかけてじっくり創る仕事です。正反対の仕事ですから、ずっと家で漫画を描いていて急に舞台に出るとついていけないことも多いけど(笑)、これからもこの両輪で上手くバランスをとりながら、自分が知らない世界について勉強していけたらと思っています。