たくさんのママたちに助けられて

私の子育ては見知らぬ街で始まった。頼る人もいない。その上アナウンサーという仕事をしていれば、遠目から珍しそうに見られて距離を置かれる可能性もあった。

知らない土地で安心して暮らすために、地域に自ら馴染むことが必要だった。だから娘が公立の小学校に入った時、PTA役員に真っ先に手を挙げたし、自分から声をかけてママ友をナンパしたりもした。

徒党を組まないママもいるし、ママ友やママグループ自体あまり好きではないという人もいるかもしれない。だが、私の場合は彼女たちがいてくれて本当によかった。

娘の小学校の運動会はたいてい土曜日で、お昼に家族と一緒にお弁当を囲む。私は土曜日が仕事で運動会にはほぼ行けなかった。でもいつも、「うちで一緒にお弁当食べなよ」と言ってくれるママが何人もいた。

小学1年生の娘が「今日はグラウンドでいろんなママが私のとこに次から次へと来て大忙しだったよ」というのを聞いて、どんなに救われたかわからない。きっとたくさんのママ友たちが娘に声をかけてくれたのだろう。

私が具合の悪い時には面倒を見てくれたり、こんなことがあったよと私が知らない子供のことをそっと教えてくれたり。学校で知り合った人だけでなく、娘の塾、息子の野球、私はたくさんのママたちに助けられてきたのだ。