ローンを組むのに注意すべきこと

ただ、買う気はあってもローンはどうでしょう。アラ還にも金融機関が融資をしてくれるか、の心配については、M氏は、「最悪、フラット35なら借りられると思いますよ」。フラット35は、固定金利ながら長く借りられる制度で、持ち家促進のための国の施策です。また、フラット35が使えるような条件(耐震性能など)の物件ならば、銀行の融資もおりるはずだそうです。

さらに、M氏の会社で中古マンションを購入する利点は、リフォーム代金まで含めて銀
行ローンが借りられることだそうです。一般的に、中古マンションを購入してあとから
自分でリフォームする場合、リフォームローンは組みにくかったり金利が高かったりし
ます。一括で借りられるなら、リフォーム資金を別で用意する必要はありません。最初
からリフォームを考えている人にとって、これは便利です。

「むしろ、注意するべきは、年齢よりも健康です」とM氏は指摘します。

「実際、お客様で、なかなか良い物件が出ないと迷っているうちに、病気が見つかっちゃって、〈団信〉が組めなくなってしまった方がいます。彼女の場合、ローンがおりなくなったので、購入自体ができなくなりました」とのこと。

ローンを組むには「団信」と呼ばれる生命保険(団体信用生命保険)に加入する必要があります。返済中に契約者が亡くなるなどで返せなくなった場合に、ローンの残債を一括返済してくれる保険です。ただ、団信に加入するには、契約者に持病があるとダメなのです。なので、買うならば健康なうちに、物件を探して決断しなくてはいけない、「いつまでもあると思うな、その健康」なのだそうです。

もちろん現金買いならば、何歳になっても、どんな属性でも、不動産の購入は出来ます。でも、低金利で長期間借りられる住宅ローンという「レバレッジ」が効かないのならば、老後に向けて購入するうまみは、あまりありません。物件を買って管理する煩わしさよりも、住まいは賃貸にしておき、代わりに現金は手元に貯めておき(金融資産に投資してもいいですが、虎の子は守って)、最後に民間の有料老人ホームに入る時の入居費に充てるほうが、賢いかも知れません。老人ホームも、入居一時金として、マンション購入費並みの2000万~1億円もの金額が必要になる物件が一般的ですから。

セミナーの後は担当者との面談でした。M氏が私の担当者になってくれ、いろいろ聞かれました。なぜ、いま、購入しようと思ったのか。どんな住まいが良いか。「理想の暮らしぶり」「理想の住まい」「これからのライフスタイル」などなど、漠然と描いていたものが、M氏に聞かれることでより具体的になっていきます。もちろん、先方は「買わせるため」です。乗せられちゃいけないと思いつつも、「買えるなら」「どうせ買うなら」「どうせなら」「せっかくなら」と、どんどん理想は膨らみ、要求も増えていきます。つられて予算も上がります。ああ、これぞ資本主義。銀行ローンがつかなければ、すべては夢となってポシャるのですけれど。

もう1社は、セミナーではなく、いきなり個別相談から始まりました。

(この項次回に続く)

※次回は「「自分好みの家」という夢を追って、リフォーム系不動産業者に行ってみた・下~粗悪リフォーム済み物件に要注意!?」をお届けします。

◆本連載が書籍化され3月8日に発売されました