この記事の目次
〈症状〉激しい痛みや姿勢の変化。神経症状が出ることも 〈原因〉原因は2タイプ。加齢にともなうものが一般的
〈治療〉まずはコルセット。さらには骨の形成手術を
〈予防〉骨密度のチェックが第一歩。食事と運動で予防して

〈治療〉まずはコルセット。さらには骨の形成手術を

治療の基本は「保存的治療」です。その目的は痛みをとり、骨折が進行して骨が変形するのを防ぐこと。まずはMRI画像を撮って状態を調べ、患者にあったコルセットを作ります。コルセットで固定することで、約80%は骨がくっつき、それ以上つぶれるのを防ぐことができるのです。保存的治療がうまくいかない残りの約20%の場合でも、骨が完全につぶれる前であれば「BKP(バルーン椎体形成術)」を行うことができます。

レントゲン透視下で、骨折した椎体にバルーン(特殊な風船)を挿入。風船を膨らませてつぶれた骨を元に戻し、再骨折しないよう専用の骨セメントを入れます。30分ほどで終了する手術で、安全性も高く、椎体骨折にはとても有効です。2011年より保険適用になったものの、基準を満たした施設でしか行うことができません。

つぶれた骨が神経を圧迫し、神経症状(遅発性神経麻痺)が出現すると、治療は極めて難しくなります。金属で背骨を固定する施術をするのですが、骨が弱っているので、うまくいかない場合も。「骨折かもしれない」と思ったら、早めに専門の医療機関を受診してください。

 

骨のつぶれた部分をバルーンで膨らませて施術