人に打ち明けられない不調や悩み。日々医療は進歩し、治療法が開発されていることも。大切な自身や家族の健康は、ぜひ医師に相談してみてください。女性に多い病気を中心に、症状、原因、治療、予防の4つの観点でご紹介します。第24回は、「骨粗鬆症性椎体骨折」です。
(取材・文/松井宏夫 医学ジャーナリスト)
この記事の目次
〈症状〉激しい痛みや姿勢の変化。神経症状が出ることも
〈原因〉原因は2タイプ。加齢にともなうものが一般的 〈治療〉まずはコルセット。さらには骨の形成手術を 〈予防〉骨密度のチェックが第一歩。食事と運動で予防して

〈症状〉激しい痛みや姿勢の変化。神経症状が出ることも

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)は「骨強度が低下し、骨折のリスクが増大した状態」と定義されています。骨折を起こしやすい場所は、椎体(背骨)、大腿骨、橈骨(前腕の骨)などがありますが、今回は骨粗鬆症による椎体骨折を取り上げましょう。

主な症状は、急性腰痛や背部痛。歩行や寝返りもできないほど強い痛みが出ます。小さな骨折であれば、「少し痛い」という程度のことも。

複数ある背骨が2つ3つと折れると、姿勢が前屈みになり、杖なしでは歩けなくなるのも特徴。背骨が変形して内臓が圧迫され、深呼吸ができない、食事がのどを通りにくい、食べた物が逆流するなどの症状も起こります。骨が神経を圧迫した場合、難治性のしびれ・痛みや下肢の麻痺などの神経症状が残ることも。歩行困難や寝たきりにも結びつくのです。

 

山本逸雄「骨粗鬆症人口の推定」(1999)より