「好奇心の赴くまま電車に乗ってみたり、道がどこにつながっているのか歩いてみたり。人に影響されなかったからこそ、自分の考えで選択して、生き抜くことができた。」

人の情に助けられ

ちひろさんは飄々と気ままに生きていて、つかみどころがありません。私も若い頃は、そんなイメージで見られていたようです。家庭の事情も影響しているのかもしれません。

中学生の頃から3歳上の兄と二人暮らし。中学3年の時には、私に保護者がいないことに気づいた担任の先生が、しばらくご自宅に居候させてくださったことも。当時は人の情に助けられました。

親がいないとかわいそうだと思われがちですが、自分が不幸だという認識はまったくなくて。言葉にすることはなくても心の中では強い意思を持っていましたし、むしろ自分で物事を判断する力がついたと思います。

好奇心の赴くまま電車に乗ってみたり、道がどこにつながっているのか歩いてみたり。人に影響されなかったからこそ、自分の考えで選択して、生き抜くことができた。そして、お芝居の世界に行きついたのです。