この記事の目次
〈症状〉炎症が引き起こすさまざまな不調 〈原因〉免疫異常が発生し自分の腸を攻撃する
〈治療〉薬物治療を中心に、寛解と再発防止に努める
〈予防〉予防ができないからこそ上手に付き合って

〈治療〉薬物治療を中心に、寛解と再発防止に努める

診断は、(1)似た症状が出るほかの病気ではないか、(2)前述の活動期・寛解期の繰り返しがあるか、(3)大腸の炎症があるかを内視鏡で確認したうえで行います。潰瘍性大腸炎と診断されたら、まずは腸内炎症を抑える「寛解導入」、炎症がなくなり寛解したら再燃(再発)を予防する「寛解維持」を目指します。

治療は「薬物療法」が中心です。

寛解導入に使われるのが「5-アミノサリチル酸製剤」。大腸の粘膜に直接作用して炎症を抑えます。寛解後もそのまま使用し、再燃を抑制します。

「5-アミノサリチル酸製剤」で十分な効果が得られない中等症、もしくは重症の患者さんは、「ステロイド薬」を使うことに。炎症を抑える効果は高いのですが、骨粗鬆症が起きやすくなるなど副作用があるため、長期間、大量に使うことはできません。ただ、効果の高いステロイド薬を使用し続けないと症状が抑えられない人(ステロイド依存性)や、ステロイド薬が効かない人もいます。ステロイド依存性の場合は「免疫調節薬」、ステロイド薬が効かない人には「免疫抑制薬」を使います。

ほかに、炎症に関わる物質のTNF-αの働きを抑える「生物学的製剤」で効果がでるケースもあり、副作用をチェックしながら薬を組み合わせて治療することが重要です。それ以外には血液中から異常に活性化した白血球を除去する「白血球除去療法」も。そして、これらの内科的治療で改善しない場合は、大腸を摘出する「手術」が検討されます。

潰瘍性大腸炎の治療法