〈予防〉予防ができないからこそ上手に付き合って
潰瘍性大腸炎の発症のピークは、基本的に20~30代の若い世代です。しかし、高齢化時代に伴い発症年齢は0歳から80代までと広がってきています。そして、日本は患者数が少なかった時代もありましたが、いまや世界第1位のアメリカ(約60万人)についで2位に浮上し、22万人に増加しています。
しかし、前述のとおり原因がわからないので、予防ができません。大切なのは患者さん自身が病気と上手に付き合っていくことです。ここでは日常生活のなかでできるコツをアドバイスしましょう。
(1)「薬の服用を忘れない」=病気を再燃させる一番の原因は、飲んでいた薬をやめること。寛解が続くとつい薬を飲むのを忘れてしまいがちです。薬の飲み忘れが病気の再燃へと繫がるので、症状がなくなっても、きちんと服用は続けましょう。
(2)「暴飲暴食はしない」=お腹に最も悪い生活習慣です。寛解期であっても食事は腹八分に抑え、お酒は少なめに。
(3)「高脂肪食や香辛料は避ける」=寛解期になれば特に食事制限は必要ありませんが、活動期には大腸を刺激する食べ物は避けましょう。また、人によっては特定の食品を摂ると具合が悪くなることも。「これを食べると、調子が悪くなる」という食品があるなら、摂らないようにしてください。
(4)「食物繊維の摂り方に気をつける」=活動期には食物繊維の多い食品を避け、寛解期には再燃を抑えるため食物繊維を摂り、腸内を整えます。
(5)「睡眠はしっかりとる」=睡眠不足は疲労を溜めこみ、これが続くと炎症悪化の原因になります。