現在の日本は歴史的な低金利

では、現在の日本はどのような状況かというと、歴史的な低金利となっています。1999年に「ゼロ金利政策」が導入され、2016年以降は「マイナス金利政策」が継続しています。

そして今や一般的な普通預金の金利は0.001%という、かつてない低金利。これは、日本の景気を良くしようとして日銀が取り組んだ結果です。

マイナス金利政策のもとでは、銀行は日銀にお金を預けると、その預金の一部について逆に金利を負担することになります。すると銀行は日銀に預けていたお金を引き出し、企業などへの貸出や投資を増やす方向にインセンティブがはたらきます。

日銀による金利の操作<『元東京国税局職員が教えるお金の基本』より>
POINT
金利を下げる=お金が借りやすくなり貸出が増える=景気が活発になる
金利を上げる=お金が借りにくくなり貸出が減る=景気が落ち着く
こうした作用が働くため、日銀は金利をコントロールするのです。

こうして世の中に出回るお金を増やし、景気の回復につなげようというのが、日銀の狙いだったのです。

ところが、ゼロ金利政策が導入されて24年が経った今も、日本は決して好景気と呼べる状態ではありません。これだけの努力をしながら景気が良くなっていないことを考えれば、いかに景気回復が厳しいかもおわかりいただけるはずです。