リフォームしたい欲求

――というわけで、この週の物件内見もまた、不発に終わりました。S氏からはその後、銀行に確認したら、やはりフルローンは難しいとの回答だったとのこと。やっぱりね、思った通りです(業者より詳しい購入希望者ってどうよ?ですね、苦笑)。当初の計画通り、不動産を売却して頭金を作ることになりました。

でも、この2つの内見を経て、私の中で改めて、「自分でリフォームしたい熱」が、むくむくと大きくなってきました。リフォーム済み物件だと、最大公約数である家族向けを狙うあまり、「ベテラン単身者」の私の暮らしぶりとの差が大き過ぎます。ネットで見ても、リフォーム済み物件は、「違うなあ、これは私が住みたい家じゃないなあ」という部屋ばかり。賃貸で安く暮らすのならば、多少、趣味に合わなくても仕方がないと我慢もしますが、貯蓄をはたいて買う家ならば妥協はしたくありません。

やっぱり間取りは、自分仕様にしたいです。もしかしたら、エリアを広げてでも、面積を狭めてでも、予算を上げてでも、「リフォームしたい欲求」のほうが勝るのではないか?と思い始めました。だって、これから老人ホームか病院に入るまでの20~30年間、1日当たり、今よりずっと長い時間を、その部屋で過ごすことになるのです。市場にどんぴしゃの部屋がないのなら、買ってリフォームするしかない、そうだ、リフォームしよう!というわけです。

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ちょうど、そんな頃でした。前に登場した、リフォーム系不動産業者の担当女性T氏から朗報が届きました。「銀行がローンをつけてくれそうです」。ラッキー! さらに、面談をしてくれたファイナンシャル・プランナーY氏からは、宿題だった老後の資金シミュレーションの詳細をもらいました。自宅マンションを買った場合に、老後資金が赤字になってしまうのが恐かったのですが、Y氏の計算では全然問題ないとのことでした。

「賃貸で支払う家賃相当分を、まるまるローン返済に充てたとします。ローンは80歳で完済しますから、その後は100歳まで生きたとしても、年金のほかに個人年金が入ることもあり、老後資産はもちます。今積み立てている金融資産を、取り崩さずに運用したら、もっと余裕がでます」。月額は少なくても、終身もらい続けられる年金があるのはありがたいです。