心が豊かになるお金の使い方を

食費の中で果物が大きな割合を占めているのは、山梨県に住む今田濱子さん(81歳・図G)。

今田濱子さんの1ヶ月の家計簿

「夫が5年前に亡くなってひとり暮らしなので、毎日自分の好きなものを料理して楽しんでいます。朝はパンにチーズやハムをのせたり、野菜を炒めたり、2時間ぐらいかけてじっくり作ってゆっくり味わう。特に季節の果物には目がなくて。夫の生前からよく食べていたけれど、今はお仏壇に供えるという理由もありますし(笑)、果物を欠かしたことはありません」

ひとり息子は現在海外に単身赴任中だが、県内に住む2人の孫が毎月それぞれ遊びに来る。

「孫は2人とも男の子で、社会人と大学生。孫が来るとお小遣いをあげ、夜はご馳走を作って……。その時のお金は特別費として家計簿につけています」

現在の収入は夫の遺族年金と自分の国民年金をあわせて月17万円で、貯蓄額は約500万円。特別な贅沢はしていない。月の予算が余った時は貯蓄に回すが、少し赤字が出る月もある。

去年孫たちを連れて温泉旅行に行った時も、費用はすべて今田さんが「特別費」から出した。

「私が行きたいと言い出したので、家族の分を払うのは少しも惜しくありません。自分がしたいことにお金を使いたいし、それで家族が喜んでくれるなら嬉しい。ほかの方から見たら無駄だと思われる出費もたくさんあるけれど、自分で納得しているから、私はこれでいいんです」

お金の不安に心を煩わされるより、自分の心が豊かになるお金の使い方をするのが幸せの秘訣なのかもしれない。


《ルポ》貯金0円でも幸せ!?独居10人の家計簿
【1】おひとり様シニアの生活費「いくらあれば安心?」老後資金の不安はなくとも、旅行は『青春18きっぷ』など、支出にはメリハリをつけて
【2】おひとり様シニアの生活費。貯蓄0、収入10万でも楽しく居酒屋を切り盛りする73歳。車椅子になってもお店は続けたい
【3】おひとり様シニアの生活費。築50年、家賃3万5000円。家が倒れるのが先か、私が倒れるのが先か。月14万で、ボランティアを生きがいに