ヤエムグラのしげみの中にムラサキケマンとカラスノエンドウが咲いてる上にサクラの花びらが散りおちて万華鏡のようなことになっている

くまモンというのを見続けている(見ずにはいられない場所に住んでいる)。踏切で待っていると、ローカル線の電車がくまモンの顔とともに近づいてきて通り過ぎていく。お店に入ると、ドアの前の足拭きにくまモンがこっちを見上げている。あのまん丸の目のようだとも考えた。

ついにあたしは行動を起こした。ネットで検索したのである。「スポンジ、人の顔」。

すぐ出てこなかった。何度もクリックにクリックを重ねた。「スポンジボブ」が出てきて、なんだったっけこれと考えて、Wikiで調べ、ネトフリで第1話を見ちゃったりもした。しかし、やがて見たかった顔があらわれた。うちのスポンジとまったく同じ顔。そのときのうれしさったらなかった。

それには「ズビズバ」という名前があった。2003年に旭化成が売り始めたものだった。2003年といったら、あたしが子どもを連れてアメリカに渡っていって、その後は夏になるたび、みんな連れて帰省していた頃のこと。あの頃、買ったに違いない。そしてズビズバはそれから20年間うちにいたわけだ。

ずっと使い続けたわけではない。5年前に帰ってくるまでの15年間はほぼいないに等しかった。5年前に帰ってきてからはほぼリタイア扱いで、風呂おけの掃除は風呂おけ用のブラシを使っていた。だからまだカタチを保ってるとも言える。

注文したものが届き、あたしは新品のピカピカのスポンジを袋から出して、お風呂場の蛇口の二つの握りの間の――例の場所にすぽっと入れた。昔からいたかのように(いたのだが)すぽっと収まった。それ以来、ちょうどこっち向きに背負われた赤ん坊みたいに、こっちを見ている。