『婦人公論』2023年5月号より

NHKは、国民的漫画 「ドラえもん」の生みの親、藤子・F・不二雄生誕90年の2023年、藤子・F・不二雄さんが描いた大人向けSF短編から10作品を実写ドラマとして、4月からBSプレミアム・BS4Kで放送する。


その中の一つ、食糧危機に陥った未来の老人の悲哀を描いた 『定年退食』で共演した加藤茶さん、井上順さんは、4月14日発売の『婦人公論』5月号の対談で、本ドラマについて語っている。

井上「内容もさることながら、見どころの一つに加トちゃんのシリアスな演技があると思う。」

加藤「オファーを受けた時、僕はてっきり惚とぼけた顔して、ハゲ頭で登場するもんだと思ったんだけど、違ったのよ。今回はヒョーキンな加藤さんは封印してくださいって言われて不安になった。《ヘックション!》とかやらなくていいのかなって。」

井上「誰も知らない加トちゃんを見た気がして、新鮮だったよ。人間としての年輪みたいなものが味わい深くて、これはいい作品になるなって撮影中から確信していた。よくあんな自然体の演技ができるもんだなぁ。」

加藤「自分なりに考えて演じてたんだけど、監督が演技しないでくれと言うもんだから。それって結構失礼じゃない?でもこの歳になって、新たな一面を掘り出してもらえるなんて幸せなこと。まだまだ自分にも伸びしろがあるんだって希望が湧いてきた。」
『婦人公論』2023年5月号より抜粋