家族のためじゃなく自分ファーストで
大騒ぎしたわりに父は連載の1回めしか読んでいないと思います。母はそもそもネットの見方がわかりません。ただ私も書籍化が決まった際、嬉しさからつい母に「本が出るんだよ」と口を滑らせてしまって。すぐさま、「愚痴のてんこ盛りでお金もらうなんて詐欺じゃない?誰が喜ぶんだ!」という厳しい言葉が飛んできました。
そして「もし買ってくれる人がいるなら、申し訳ないから、ただで配ったら?」とも。いろんな方々のお力添えで書籍化に辿りついていますから、ただは無理だよ~と思います。(笑)
母は「私は糖尿病とうつ病と認知症のセットだ」と自称する一方で、自分は認知症ではないと思っているふしもあります。怒っている時も、自分で感情をコントロールするのが難しくなってきているのかな。本当はそこまで怒りたくないのではと思ったりもします。
父との喧嘩でも、明らかに母のほうが真っ当なことを言っているんですよ。一度母に「ねえ、パパクソ(私たちは父をこう呼んでいます)って認知症なの?」と聞いたら、「違う! パパクソは昔から変だった。もしそうなら出会った時からずっと認知症だ。そんな長い認知症はない!」って(笑)。なるほどと納得しちゃいました。
私自身、《自分ファースト》でいこうと常に思っています。今は実家にいますが、いつか逃げ出す日がくるかもしれない。でも、それならそれでいいのかなと。
自分が元気で幸せじゃないと、私は自分の家族を幸せにはできません。実家にいる、遠くから見守る、施設、とりあえず逃げる、どれも私の中では大事な選択肢です。すべてを丸く収めるのはなかなか難しい。
だから、まずは自分の健康を優先し、そこからできる範囲での家族の幸せを模索します。実際、なんだかんだ言いながら、私は元気です。疲れた時は美味しいランチを食べに行くなど気分転換もしています。
あとは書いた本をたくさんの人に読んでいただいて、皆さんの疲れがとれたり、笑って元気になってくださったら最高に嬉しいです。