人に打ち明けられない不調や悩み。日々医療は進歩し、治療法が開発されていることも。大切な自身や家族の健康は、ぜひ医師に相談してみてください。女性に多い病気を中心に、症状、原因、治療、予防の4つの観点でご紹介します。第26回は、「便秘」です。
(取材・文/松井宏夫 医学ジャーナリスト)
この記事の目次
〈症状〉排便の困難に悩む人が多い
〈原因〉便秘を引き起こす4つの原因とは 〈治療〉胆汁酸を増やす新しい治療薬も 〈予防〉適度な運動と水分と油の摂取を

〈症状〉排便の困難に悩む人が多い

便秘の症状として、誰もが頭に思い描くのは、「お通じの回数が少ない」ということでしょう。しかし、お通じの回数が少なくても、「便が硬くない」「お腹が張ってつらいなどの症状がない」場合は、便秘とはいいません。

便秘の症状は大きく分けると2つあります。1つは「排便回数の減少」、もう1つが「排便困難」です。排便回数では「3日以上排便がない状態」または「排便回数が週に3回未満」になると便秘と診断します。このように排便回数が減ると、直腸、結腸に便が溜まるので、「腹部膨満感」や「腹痛」などの「腹部不快感」を伴います。

一方、排便の困難は、快適に排便ができない状態です。そのため「トイレで過度にいきむ」「排便後も便が残っている感じがある(残便感)」「便が硬くて出ない」などの原因で、トイレからなかなか出られない状態を指します。

 

便秘と診断される症状