「もう年だから」は手放して
断捨離の真の目的は、人生の自由度を上げることです。生きていくにはさまざまな社会的制約があり、ときには不本意な制限を受けることもあるでしょう。私たちを一番不自由にしているのは、実は家や土地、人間関係だったりする。
それらが重すぎたらいったん下ろす、いらなくなったら手放す、つき合いたくなければ離れるといった決断を、ライフステージの変化ごとにしていく必要があるのです。
「そうは言っても、なかなか行動に移すのは難しい」という方も多いですよね。そういう場合は、自分の思考のクセを変えていくことをおすすめします。
人の脳は、「したい」「行きたい」「なりたい」といった希望や願望を思い浮かべると、同時に「でも」とできない理由を考えるようになっているそうです。慎重であることは、生き物の生存本能だからかもしれません。
そこから一歩踏み出して「したい」をかなえるには、できない理由探しをする前に、「どうやったらできるだろう」と考える習慣をつけることが重要です。
普段から身のまわりのモノを決められた総量の中で取捨選択するのは、いわばそのトレーニングのようなもの。まずはキッチンの引き出し1つからでも構いません。例えば器を目の前にして、自分にとって「必要か、必要でないか」「ふさわしいか、ふさわしくないか」「心地いいか、心地よくないか」を問いかけ、手放すかどうか判断します。
それを何度となく繰り返し、自分のいる環境が風通しよく快適になっていく実感を積み重ねれば、したいことに向けて行動する力が自然と備わってくる。さらに自分のしたくないことも明確になるので、いやなことを断る勇気も湧いてきます。