写真提供◎photoAC
かつて女性の辛さは「女三界に家無し」と表現されました。しかし現代、「本当に住む家が買えない、借りられない」という危機的状況に直面するケースも増えています。そして男女雇用機会均等法で社会に出た女性たちが、会社勤めをしていればそろそろ一斉に定年を迎える時期に…。雇均法世代である筆者は57歳、夫なし、子なし。フリーの記者・編集者。個人事業主ではあるが、見方によっては「無職」。ずっと賃貸派だった彼女が、60歳を目前に「家を買おう」と思い立ち、右往左往するリアルタイムを、心情とともに綴ります。

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コーポラティブハウス

予算を無視してどこまで行けるか――半ばやけですね、私。Mかもしれません、苦笑。狭小戸建てのO社みたいにディスられて、また傷つくんじゃないかとびくびくしながら、不動産好きにとっての一つの頂点、コーポラティブハウスを訪ねることにしました。コーポラティブハウスとは、「みんなで建てる注文マンション」です。時間と手間はかかりますが、新築を、好きな間取りで作れます。

心中、「貧乏人のくせに、ごめんなさい、興味本位で話を聞きにきました」と恐縮しつつ、説明会に申し込みました。きっと「買えないくせにのこのこ来るんじゃない、しっしっ」ってされるんだろうなと、どきどきしていたのですが、果たして、……。

混合栓でない風呂場のカラン。古い分譲物件や、賃貸物件の場合は風呂場のカランが混合栓でないことも多い。リフォームで水回りを刷新してある物件では、混合栓になっている。同様に、洗面所やキッチンの蛇口も、新しい物件では混合栓・シングルレバーが標準的だ。(写真提供◎筆者)

意外なことに、コーポラティブハウスをプロデュースしているX社とY社は、いずれも気持ち良く、快く、話をしてくれました。こちらの懐事情を聞いても嫌がらず、ローンの相談にも乗ってくれました。狭小戸建てのO社では、明らかに、「お前なんかの来るところじゃない、お前に貸してくれるところなんてない」といった扱いを受けたのに。

真逆の応対です。なぜ?? 私の属性は変わりません。貯蓄も資産も変わりません。金持ち喧嘩せず? 少しでも顧客候補になる可能性のある人には、ブランディングもあって、コーポラティブハウスの会社は門戸を開けておくつもりなのでしょうか。

話を戻しましょう。私が話を聞きに行ったのは、ネットで検索して出てきたコーポラティブハウスのプロデュース会社2社でした。えいよっ、と勇気を出して、最初にX社に行きました。X社では、S社長自らが現れ、気さくにコーポラティブハウスの特徴やお金の仕組みについて教えてくれました。知っているつもりですが、社長、そもそも、コーポラティブハウスって、どういうものですか? アラフォーと思しきS社長は、イロハから教えてくれました。

「コーポラティブハウスは、マンションの注文建築だと思ってもらえればいいです。複数の参加者が、一緒に、注文建築でマンションを建てるのです」。分譲マンションと、一戸建ての注文建築のいいとこ取りというわけです。