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かつて女性の辛さは「女三界に家無し」と表現されました。しかし現代、「本当に住む家が買えない、借りられない」という危機的状況に直面するケースも増えています。そして男女雇用機会均等法で社会に出た女性たちが、会社勤めをしていればそろそろ一斉に定年を迎える時期に…。雇均法世代である筆者は57歳、夫なし、子なし。フリーの記者・編集者。個人事業主ではあるが、見方によっては「無職」。ずっと賃貸派だった彼女が、60歳を目前に「家を買おう」と思い立ち、右往左往するリアルタイムを、心情とともに綴ります。

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「リ・バース60」は、我々アラ還の強い味方

(上から続く)
狭小戸建てを扱う不動産仲介業者O社で「たらい回しの刑」に遭い、ようやく会えた担当者S氏からは「塩対応」をされながらも、まだ私は、一縷の望みを抱いていました。アラ還にはアラ還なりの戦い方、最後の手段があるからです。S氏の口からは、いまだ提案されていませんでしたが、私は知っていました。住宅金融支援機構(旧・住宅金融公庫)の「リ・バース60」という、60歳以上の人を対象にした住宅ローンがあることを。

これは、リバースモーゲージ(不動産担保ローン)の仕組みを利用した住宅ローンで、60歳以上の人が、年金しか収入がなくても、組める住宅ローンです。一部の金融機関では「リ・バース60」は50歳から申し込み可能なので、私でも対象になります。このローンの利点は、返済が利息分のみということ。死亡時に、銀行側が担保としていた購入物件を売却して清算します(リコース型を選べば、相続人が一括で元金を支払って物件を相続することもできます)。

高齢者が生きている間は住み続けられ、死亡時には銀行が清算してくれるので、私のような単身・子なしで相続人のいない人には、死後の不動産売却の手続きが省けて、かえってお得です。

「リ・バース60」は、我々アラ還の強い味方です。なので、少々脇道に逸れますが、ここで詳しく紹介させてください。このローンで借りられるのは、老後の住宅の住み替え・リフォーム資金です。例えば、土地を買って一戸建てを建てたり、いま住んでいる古い家を建て替えたりリフォームしたりする時、この融資が受けられます。

自立した高齢者向けのマンション「サービス付き高齢者住宅(サ高住)」の入居時一時金の支払いにも、このローンが使えます。毎月の支払いは利息分のみで、元金据え置きのため、利率は普通の住宅ローンより高いものの、支払額は少なくなる計算です。

支援機構のサイトによると、申込時の年齢は平均69歳。半数ほどが60代で、70代も多く、わずかですが80代以上の人もいます。本人年収は平均で392万円ですが、200万円以下の人も2割ほど、300万円以下の人も3割ほどいます。ふつうの住宅ローンが厳しい高齢者が、自宅に住み続けられるようにと用意された「セーフティーネット」であることが分かります。

融資額の上限は8000万円です。ただし、物件の担保評価額の50%または60%までしか借りられません。ここがくせ者です。担保評価額は、一般的に、時価の60~80%とされます。つまり、リ・バース60を使って借りられる限度額は、

・物件購入額×担保評価割合(0.8~0.6)×融資割合(0.6~0.5)
となります。つまり、物件購入額の5~3割ほどしか融資を受けられないわけで、残りの5~7割は自己資金で用意しておかなければなりません。担保評価は、物件の築年が古くなるほど低くなります。

賃貸物件では、退去時に畳表の交換が必須で、費用は大家と賃借人で折半するのが一般的だ。契約書類に「畳表交換代負担」と書かれている。また壁紙は、「喫煙者の場合、壁クロス交換代は借主負担」との特約がついている場合が多い。非喫煙者が、ふつうに住んでいて変色した程度ならば「経年変化」として賃借人には請求されないが、ペットがひっかくなども含め、故意に剥がしたり傷つけたりした場合はクロス交換代が請求されることも。交換代は「1平米あたりいくら」で請求される