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かつて女性の辛さは「女三界に家無し」と表現されました。しかし現代、「本当に住む家が買えない、借りられない」という危機的状況に直面するケースも増えています。そして男女雇用機会均等法で社会に出た女性たちが、会社勤めをしていればそろそろ一斉に定年を迎える時期に…。雇均法世代である筆者は57歳、夫なし、子なし。フリーの記者・編集者。個人事業主ではあるが、見方によっては「無職」。ずっと賃貸派だった彼女が、60歳を目前に「家を買おう」と思い立ち、右往左往するリアルタイムを、心情とともに綴ります。

前回「アラ還、女性、単身で家は買えるのか?リフォーム願望むくむく…予算を上げて都内で探すもイマイチ、エリアを広げる?面積を狭くする?リフォームする!」はこちら

禁断の一戸建て

どんどん迷走している感がある、老後を見据えた家探しチャレンジですが。さて、前回までに書いた通り、ファイナンシャル・プランナーとの面談から、老後資金を食い潰さないようにと「安かろう・古かろう」のあまり資産価値の高くない物件を買うよりも、80歳で老人ホームに入ることになった場合に、売却したら入居一時金が用意できるように、いま自己資金を増やしてでも、値段も資産価値も高い物件を買ったほうがいい、ということになりました。それで予算を4500万円まで上げたら、もう少し頑張れば5000万円、それなら一戸建ても夢じゃない――と、欲望が抑えられなくなった私は、なんと、無謀にも、「禁断の一戸建て」にアタックしてしまいました!

――残念ながら、思い知ったのは「身の程」です。「一昨日来やがれ」の塩対応をされ、業者には物件の内見すら、させてもらえませんでした。そして夢から覚めました。そうです、一戸建てなんて夢のまた夢。「アラ還、独身、女性、子なし、フリーランス」ごときが、一戸建てが買えるかも?なんて、いっときでも勘違いしたのが、悪うございました。一昨日来やがれ、っていう業者の言下のメッセージ、はい、しっかり受け止めました。

時系列でお話ししましょう。まず、いつものごとく、不動産プラットホームであるアットホームやホームズなどから、「中古」「一戸建て」を、予算5000万円(ちょっと背伸びしました!)で検索してみました。そうしたら、見つかったのです! あったんです!! 最初に希望していた実家の近くのエリアでした。ファミリー向けマンションしかないと諦めたエリアの、駅徒歩圏(徒歩15分)に、狭小戸建てを。しかも、なんと4498万円です! なんと!! 予算内じゃないですか!

狂喜乱舞しました。ええ~!? マンションと同じ予算で、一戸建てが買えちゃう、ってこと~? 土地83平米、建物106平米、木造三階建て、築25年以上の中古物件ですが、2022年に水回りをリフォーム済みとなっています。土地権利も、借地でなく所有権です。

接道も公道に5メートルですから、再建不可物件じゃなさそうです。一戸建ての場合で注意したいのが、公道に接道していないとか、自治体の条例による規制が出来たとかで、建て替えができない「再建不可物件」です。その場合は将来、老朽化しても建て替えはできず、梁や外構を残しての大規模リフォームをするしかありません。でも、この4498万円の物件は、接道条件はクリア。他に条件の表記もないので、再建は可能なようです。あとは水回りの状況次第です。これは現地を確認しなくては!