『Vジャンプ』立ち上げの経緯
中山 『Vジャンプ』はどのように立ち上げられるのですか? 創刊号44万部と好スタートを切った雑誌で、そこから多くのゲーム関連本も出版されました。
鳥嶋 社内の編集者を使うと原価で380万円の「人頭税」が乗っかるんですよ。しかも、人事に「人くれ」って言ったって優秀な人間がくるはずがない。だから社内スタッフは3人だけにとどめて、あとは外部の仲間を集めて作りました。弁当を55個発注してたから、外部の人が50人以上はいたはずですね。
でも外部のほうが安いとはいっても、ページ単価だとさすがに希望のお金は払いきれない。そこでゲーム単行本を出すときの印税を充てて支払うことにした。作家でもないのに印税を払うという仕組みがなかったから、会社と交渉が必要だったけど。
中山 鳥嶋さんは、いつも契約条件などの数字をきちっと最初に提示されてきたそうですね。
鳥嶋 すべて数字で仕事します。何ページで単価はいくらで納期はいつ、というのは必ず仕事のはじめに決めてやっています。受けるほうは聞きにくいじゃないですか。だから出すほうがはっきりしないと。僕がサラリーマンで安定している分、リスクをとって時間や才能を拘束しているクリエイターにはきっちり儲けてほしい。儲かったら僕にご馳走してよ、というくらいの気持ちでやってました。