年単位で定期的に受けるべし

一方、バリウム検査の利点としては、「胃を俯瞰して観察できる」 ということが挙げられます。

「スキルス胃がん」と呼ばれる、胃の壁全体に染み込んでいくようにして発生するタイプのがんだと、なかなか胃カメラで内側から見ただけではわからないことがあり、この場合はバリウム検査が活躍することもあります。

ですので一般的には胃カメラを選択される人が多いですし、利点も十分なのですが、バリウムが完全に劣る検査というわけではないことは覚えておいてください。

バリウム検査は40歳以上に毎年、胃カメラ検査は50歳以上に2年に1回、対策型検診として受診することができますので、対策型を利用する場合は年齢に応じて受ける検査を変えても良いかもしれませんね。

胃カメラであれば2~3年に1回、バリウムであれば1~3年に1回の検査が推奨されます。50歳以上の方は定期的に受けるようにしましょう。

 

※本稿は、『人間ドックの作法』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。

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